恒例のカムエクである。
昨年は途中敗退してそのリベンジに燃える方と、4年越し5年越しと言うカムエクが遠い山頂になっているゲストなどなど総勢10名。
そんなこんなで、無言のプレッシャーを感じつつ天気予報と格闘して迎えたツアー。
日頃の行いは正しておくべきである。

1日目

15~18日(予備日含む)の日程。
天気予報は 15日….雨(まあまあの雨量) 16~18日….曇り。
そんな事で予備日を使い16-18日でアタックすることになり、15日は各々過ごしたり安宿を探して一緒に泊まったりして迎えた当日。
幌尻ゲートに【11:10】到着
曖昧な天気予報+昨日の雨量からして水量は未知数。ささ、後は(自分を含め)日頃の行い次第ですよ~(笑)と出発【11:35】

非常に整備の行き届いた林道を行く。
毎回思うけど、こんなにお金掛けて維持管理するなら車で入らせてくれ!
とボヤキながらテクテク。

(今のところ)天気は上々、気温もこれぞ北海道て感じの快適さ。
このまま明日もお願いします~と願いつつ・・・

七ノ沢まで来ると、おおっ!?車が入っとるやないかーーい!
※後にテント場で会ったグループの物で、登山道整備に来ていたそうである。

今年は水の流れが変わって、今まで入れていた河原まで行けず手前で沢の準備【13:05】

こんな感じで林道水没で河原に行けず。
この様子だと渓相も変わってそうな予感・・・。

最初からして昨年までとはかなり違う。

水量は許容範囲。懸案事項1クリア。
※写真右のゲストのサポートに回っているのは、今回のサブガイド、新進気鋭若手の北海道ガイドY.S。スキーの腕前も一流でこれからPZツアーで登場する事あるかも!

数年前までここに本流があったんですけどね。
ここ数年、大雨の影響で流れが大きく変わる事が珍しくない。
まぁ昨年と違うとか言いながら、自分の記憶が曖昧なだけって噂もありますが(笑)

流れが大きく変わっても、要は如何に楽に渡渉できるところを見抜くかが大事で、沢を遡っていけばこの八ノ沢出合には嫌でも着きます【15:10】

車の主の先客あり。【15:15】
どうやらこのテント場も水が流れて様子がだいぶ変わってる。昨年まではこんなに石がゴロゴロじゃなかった(これは自分の記憶に自信あり(笑))

懸案事項2 テント場問題もクリア。
どなたか持ってきてくれたか、鍬が備え付けてあって大助かりでした。

2日目

何としても山頂を踏みたいと言う無言のプレッシャーの為(笑)少し早めの出発
【3:00】まだ暗い中起床
【4:00】夜も白むなかヘッデンなしでスタート

目の覚める一発目の渡渉
昨日より水量は減ってる感じ。

懸案事項3 曖昧な天気予報も今のところ何も降ってない!
ただ、山頂付近ガスの為、カムドンは見れず。
カムドンとは:カムエクのお姿がドーーンとみられる事。

三股が見えてきた。残雪は今年も無し。

三股までは右に行ったり左に行ったりで、如何に楽なラインを見出せるかが肝。
それで所要時間が結構変わる。

三股着【6:05】沢靴⇒登山靴
年によってはここはびっちり残雪で覆われてるんですけどね~。
最近は全く無いことが多い。これも温暖化か・・・?

上出来な時間に三股に着いて、皆さんの山頂踏破の決意を感じつつ、カールへの本格的な登りへ。
ここも最初の部分が荒れましたね~。そして写真の今まで(昨年)無かったド派手なマーキングが多数。
これなら迷う人は居なくなるだろうけど一抹の寂しさも感じるなぁ。

さらに!
難所に掛かっていたロープも新しくなり強固なアンカーまである。
これらは車の主たちのお陰か。ありがとうございます!

そんなこんなで順調に三段の滝に到着【7:25】
皆さんの決意のお陰か快適気温のお陰か、ここの到着時間も上出来である。

さあカールまであと少し!
日頃の行いのお陰か降りそうにもない!

ちょっとペースダウンしたけど、八ノ沢カール到着!!【8:30】
残念ながらカールより上部はガスガス。
今年も例の遭難レリーフが出てました。年によっては雪の下の事もあるのにね。
問題は懸案事項3 稜線の風がどうか?!

大休止して山頂に向けてゴーーー!!
集団の強みで・・・・

こんなに超フレッシュなクマさんの掘り返しがあってもへっちゃらなのである。
※この跡はどう見ても今朝の食事跡

そこかしこにあるクマさんの気配を感じつつ、お花畑を登り・・・

いつもならここからお花越しにカムドンがあるけど、今回は無し。

そうこうして稜線着【9:30】
このハイマツの切り口も車の主たちのお陰か?
今年は恒例のハイマツ漕ぎも緩和されていた!

懸案事項3 稜線の風もまーーーったく問題なし。
むしろ雨具を着て丁度いい気温。

残念ながら景色もなーーーんにも無い稜線を、ペースの落ちたゲストも山頂踏破の決意に突き動かされ頑張って進む。
このお花畑までくればあと少ーーし!!

そして・・・・・・・・4年越し5年越しの山頂タッチは重みが違うのであ~~る。【10:40】
やっと、やっとたどり着けましたねーー!!

それぞれの思いを込めた山頂でひと時。
真っ白で何も見えないけど・・・(今年は安定ではない(笑))

さて下山。帰りも長い道のり。
一気にカールまで下り、山頂方面を仰ぎ見るも・・・

あとちょっとで見えそうで見えない、チラリズムの山頂。
ところで全く関係ないけどチラリズムは1951年の流行語らしい。そんな昔からあったのね!

お一人疲労かハンガーノックか、ペースがダダ落ちして、それでも何とか三股まで戻って履物交換【15:10】
みなさん、長い行程でのエネルギー(行動食)マネジメントって大事ですYO!気を付けましょう!

ダル――い河原歩きも、オコジョ出現のお陰で気がまぎれる。
オコジョって鳴くんですね。初めて聞いた。

緊張感も解け、足取りも重くなるころテント場に戻る【17:40】
13時間半の長かった1日が終わり、安堵感に包まれ今日入って来た登山者が熾してくれた焚火に当たる。
は~~~全員登れてよかったよ~~。さらに5年6年越しになったら、さらに後ろからのプレッシャーが増すからね~(笑)

3日目

夜もほぼ雨に降られず最終日
【4:00】起床
【5:30】出発
目の覚める渡渉から始まる

昨日帰った車の主たちの付けたと思われるピンテが、そこここに追加されてました。
流れが変わるとあんまり意味がなくなるけどね。

誰かの日頃の行いのお陰で、すっかり減水した沢は難なく終わり【7:10】・・・・・

ダルダル林道も快適気温のお陰で修行にならずに下山!!【8:55】
終わってみれば、あの予報でまったく雨に当たらず、曇りでむしろ暑くなく絶好の登山日和でした。
まぁ山頂が見えなかったのは残念ですが・・・(^^;)
天気、水量などに恵まれなければ登れないカムエク。
登山に変化があって良い山です。日高を味わうならまずココですね!